自衛隊で教わった「メンタルを崩しやすい瞬間」ワースト1

自衛官の二人がメンタルに関する対談で、面白いことをお話されていたので紹介します。

2人のうち1人は元エリート幹部の自衛官ですが、パワハラと激務でメンタルを崩し、復帰後は外資系企業で活躍している異色の人物です。

そんな二人はどんなメンタル術を身につけているのでしょうか?

参考になった話に科学的な話も交えながらご紹介します。

 

目次

「強い自分」を目指す人ほど心が折れやすい

 

自衛官というと、ゴリゴリマッチョでストイックな人が多いイメージですが、実は自衛官ほど多種多様な人たちの集まりはないそうです。

 

見た目には分からない一般人のような人からバケモノみたいな屈強な人までいろんな人たちが集まる自衛官ですが、メンタルを崩しやすい人には特徴があるとお二人は言います。

それは「強い自分を目指す人」です。

 

自衛官を目指す人には強い自分でありたい人が多いようですが、この思いが強いと弱音を吐かないことを美徳と考えるようになります。

 

元エリート自衛官がまさにそうだったようで、パワハラや残業にも大丈夫なふりをしてある日ポッキリと心が折れてしまったようです。

 

さらに悪いことにメンタルを崩したあとでさえ「この程度でメンタルを崩してしまうなんて情けない」と自分自身を責めてしまう真面目っぷりです。

 

これは自衛官に限った話ではなく、みなさん腑に落ちる話ではないでしょうか?

実際の強さと理想の強さを読み誤ってしまい、無理をしてしまうことは誰にでもあることです。

 

鋼のメンタルをもった人たちがまれに存在しているため、つい憧れて無理をしてしまう気持ちは分かります。

家族や友人に弱みを見せるのは嫌なことです。

 

ですが、せめて自分自身には嘘をつかずに弱いメンタルと上手く付き合う術を身につけたいですね。

 

 

絶対に無理しちゃいけないタイミングとは?

 

自衛官はメンタル教育も受けています。

内容はパワハラ対策から激務でアルコール中毒にならない方法など様々です。

そんななかでも特に勉強になった内容が「絶対に無理をしちゃいけないタイミング」だそうです。

そのタイミングとは、結婚や死別などの「ライフイベント発生時」です。

 

このタイミングについてはお二人とも心当たりがあるようで、先ほど紹介したメンタルを崩した自衛官のタイミングも、子供が生まれた時なんだそうです。

ここでも「子供に情けない姿は見せられない」という、強くありたいと願う気持ちが出てしまうのです。

 

親しい人との死別や離婚などのイベントでストレスがかかるのは分かりますが、出産や結婚などのプラスのイベントでも注意が必要なことには学びがありますね。

 

脳科学でも人間はマルチタスクに向いていないとの報告が多くあります。

仕事だけを考えるなら気合でなんとかなりそうでも、そこに育児や扶養家族の心配まで重なってくれば脳はすぐにパンクしてしまうので、科学的にも根拠がありそうだと感じました。

さらに悪いことにマルチタスクが仕事効率を落とすだけならまだしも、不安感まで増幅させることが分かっているので、仕事のストレスと家庭のイベント(それが良いことであっても)が重なるときは思い切って片方に専念した方がよさそうですね。

 

 

「忙しいけど楽しい」が危ない理由

 

自衛隊には「100km行軍」という、重い荷物を抱えたまま歩行する訓練があるそうです。

その体験談によれば「もう少しで到着だ」と思える距離に近づくと、脳内で変な物質が出ているのかとても気分が良くなったと言っています。

心も体も苦しいはずなのに、気分が効用するランナーズハイと同じかもしれないとも。

 

それになぞらえて、ブラック企業で働き過ぎて「すごく充実している!」と感じている人は危険ではないかと考えたわけです。

本当は心も体もボロボロなのに、それを補うためにただ、ランナーズハイのように鎮痛作用や多幸感をもたらす脳内物質がバンバン出ているだけかもしれません。

 

そのことから「仕事が全て」な人も要注意とのことです。

自衛官にも「仕事以外の居場所」や「ストレスの発散の仕方」を持っている人は倒れにくい傾向にあると述べています。

 

脳に負担をかけると人間はどんどん視野が狭くなってきます。

あとで落ち着いた時に「なぜあの時○○しなかったんだろう」と思うことは人生に何度もあったはずです。

休むことは遠回りに思うかもしれませんが、それで倒れてしまっては途方もない遠回りになってしまいます。

何事も常にベストを目指すのではなく、ベターな選択ができれば人生はより良いものになるのかもしれませんね。