姿勢が悪い人は体調を崩しやすい。その理由とは?
私たちの身体を無意識にコントロールし、健康を守ってくれているのが自律神経です。
胃腸の働きや、体温の調整、血液の循環など、これらはすべて自律神経の働きのおかげで24時間健康に生活することができています。
しかし、近年の日本人は自律神経の乱れによる体調不良に悩む人が増えています。
その症状は頭痛や倦怠感、めまい、心身の不調まで多岐にわたります。
原因はストレスや気象変化などさまざまですが、自律神経が乱れやすい人は「骨格が歪んでいる」という特徴があります。
目次
背骨のゆがみや姿勢の悪さで体調不良になる?
骨格の歪みと自律神経の乱れにはどのような関係があるのでしょうか。
骨格は私たちの筋肉を支えています。
骨格が歪むと姿勢が悪くなり、別の場所に負担がかかるために筋肉が凝り固まってしまいます。
たとえば、ストレートネックといって本来であれば緩やかなアーチの形をしている首の骨が、スマホの見すぎなどでまっすぐな状態になっている骨格の人がいます。
ストレートネックの人は横から見ると首が前方に出ていて、その影響で頭の重さ(4~6㎏)の倍の負担がかかり首こり・肩こりの症状が起こります。
首や肩こりの症状が進むと、頭痛や吐き気などの不調が出てきてしまうのです。
ストレートネックだけでなく、左右の肩や骨盤の高さの違い、軽い背骨の曲がりや反り腰などの骨格の歪みも、頭痛やめまい、倦怠感・胃腸不良・動悸や息苦しさなどのあらゆる不調を引き起こします。
骨格や背骨に着目する理由
なぜ、自律神経の不調が骨格や背骨の歪みに関係していると考えられるのでしょうか。
以下4つの理由をお伝えします。
①呼吸
自律神経にとって最も重要と言われているのが呼吸です。
普段、無意識にしている呼吸について何か問題があると感じることはないでしょう。
しかし、自律神経の乱れによる不調を抱えている人の多くは、呼吸が浅く酸素や栄養がうまく全身に回っていないのです。
骨格が歪んでいると、心臓や肺などの重要な臓器を囲む「胸郭(きょうかく)」が固くなり、呼吸がしにくくなります。
②脊椎
自律神経の通り道は脳から始まり、脊椎を通って各臓器や器官に伝わります。
脊椎は背骨と言われている部分のことを言い、身体を重力から支える役割を持っています。
脊椎が歪んでいると自律神経の伝達ルートが妨げられ、自律神経の働きが悪くなる要因になってしまいます。
③背骨の動き
背骨全体の動きを良くすることで体の可動域が広がり、血流が良くなります。
すると自律神経をつかさどる脳に、酸素や栄養が十分に行き渡り自律神経のはたらきがよくなります。
また体の動きが良くなると心も軽くなり、身体的にも精神的にもストレスが減ることになるので、自律神経の負担が軽減します。
④姿勢
あるアメリカの研究によれば、前かがみなどの悪い姿勢から姿勢を良くしたことでストレスへの耐性が上がったという結果がでています。
良い姿勢は、重力に対して姿勢を保つための筋肉(抗重力筋)に刺激を与え、精神を安定させるセロトニンが脳内にたくさん分泌されるのです。
正しい姿勢のチェックと矯正法
では、自分が正しい姿勢ができているのか簡単にチェックできる方法をお伝えします。
それは壁を使った方法です。
壁を背にしてまっすぐ立ってみてください。
・かかと
・お尻
・肩
・頭
・ふくらはぎ
の5点が順につきますか?
どこか一か所でも壁につかない場合は姿勢が悪い証拠です。
また、腰の後ろに手のひら一枚分の隙間が空いていますか?
空きすぎている場合は反り腰です。
猫背の人は肩をつけにくいと感じます。
ふくらはぎがつかない場合は、骨盤に歪みがある場合が多いです。
正しい姿勢に矯正するためには、ストレッチが有効です。
簡単な背伸びストレッチをお伝えします。
・足の間は肩幅に広げ、下半身の重心を整える
・手のひらを外側に向けて組む
・顔の前から頭の上までゆっくりと上げる
・組んだ手のひらで天井を押すように背伸びをする
・おなかに力を入れたまま腕を横からゆっくりを下す
これで姿勢はリセットされます。
ぜひ一日に一回、姿勢を正すためにこのストレッチをしてみて下さい。