熱中症は昼間だけじゃない!じつは気を付けたい夜の熱中症

 

じっとりとした湿気とだんだんと気温が上昇する今日この頃。

暑さにまだ慣れていないこの時期から夏本番にかけて十分注意したいのが「熱中症」です。

 

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節がうまくできず、体内に熱がこもった状態。

熱中症の初期症状は「立ちくらみ」「筋肉痛」「こむらがえり」などが表れ、中程度の症状だと「頭痛」「気持ち悪さ」「嘔吐」「倦怠感」などを感じます。

 

重度の症状だと「意識障害」「けいれん」「手足の運動障害」などが表れ、入院して集中治療する必要があります。

でも、じつ夜にも熱中症になるってご存知ですか?

 

目次

夜こそ熱中症に注意!

 

熱中症は「暑い日差しが降り注ぐ中、外で運動や作業などをしている時に発症する」と思いがちですが、実は夏の熱中症の約4割が夜間に発症しているそうです。

夜は日が沈み、日中より温度が低いのでは?と思われるかもしれません。

しかし昼間に壁や天井が暖められ、蓄熱したものが夜間に放射熱となり室温を高くしてしまうのです。

さらに寝ている間は水分補給は出来ず汗からの排出のみとなるため、脱水状態になりやすい。

睡眠中に発汗する水分量は、冬は200ml、熱帯夜には500mlとペットボトル1本分の水分を失っているのです。

 

 

今日からできる睡眠中の熱中症予防

 

夜間に起こる熱中症を防ぐために、以下の3点に注意しましょう。

 

①適切な温湿度にする

快適な睡眠に適する温度は26℃以下、湿度は50~60%が良いと言われています。

 

②寝る前と起床後の水分補給

コップ一杯程度(約200ml)の水を飲みましょう。

就寝前に水分補給をしたとしても、起床後に脱水状態の可能性があります。

 

③通気性の良い寝具や寝巻

クールダウン効果のあるものや吸湿性・速乾性のあるものを用意し、からだへの蓄熱を防ぎましょう。

 

熱中症でよくある3つの間違い

 

ここでは、一般的によく言われる熱中症についての間違えについてお伝えします。

 

①熱中症で病院へ搬送されるのは主に高齢者と乳幼児?

一般的に熱中症のリスクが高いのは高齢者と乳幼児であると言われています。

高齢者は体温調節機能が低下していることと、糖尿病などの持病のために脱水になりやすい傾向があるからです。

 

乳幼児は体温調節機能が未熟であることと、「のどが渇いた」と言葉で訴えることができないためです。

しかし、実際に病院へ受診する人の大半が10歳代~50歳代くらいの比較的若くて元気な人なのです。

 

理由は「熱中症のリスクをそれほど重く考えていない」から。

「いつも元気だから」「暑さに慣れているから」といって多少暑くても無理して作業を続け、水分も殆ど飲まない結果、熱中症になってしまうのです。

 

真夏の日中の熱い時間帯に活動しやすい若い年齢の方こそ、意識して水分補給や休息を取るなどの対策が必要です。

 

②水分補給は水かお茶を飲む?

高温多湿な環境で活動し、大量の汗をかいた時の水分補給で水やお茶を飲むのはかえって脱水が悪化する危険性があります。

 

水やお茶にはナトリウム(塩分)が含まれておらず、大量の水分を摂取することで体液が薄まり、自発的に脱水症状を招いてしまうのです。

 

水分補給はスポーツドリンクや、水に0.1%〜0.2%の食塩水を用意するのが良いでしょう。

また、市販の経口補水液は脱水の際に理想的な飲料です。

 

アルコールやカフェイン飲料は利尿作用があるためNGです。

 

③暑いと感じたときにおでこを冷やす?

身体が熱いと感じたときや熱中症の初期症状を感じたときに、よくおでこに冷却シートを貼っていませんか?

これは、気持ちいいと感じるだけで実際には効果はありません。

 

体温を下げるためには、太い血管が通っている部分である「首」「わきの下」「足の付け根」を冷やす必要があります。

大量の血液が巡る箇所を冷やすことで、身体全体の温度を効果的に下げることができるのです。

 

氷や保冷剤をこの部分にしっかり当てることで、早く症状を和らげることができます。

 

まとめ

睡眠中の熱中症対策がとても大切であることがわかりました。

また、自分は大丈夫だという油断も熱中症になるリスクを高めてしまいます。

水分補給の選択や身体の冷やし方などを参考にして、今年も暑い夏を乗り越えていきましょう!