年をとると色の見え方が変わる?光がまぶしい理由はこれだった。
年齢とともに目が見えにくくなると感じることはありませんか?
近くの文字が見えにくくなる老眼はよくある症状ですが、じつは色の見え方も年齢を重ねると変わってくるんです。
また、昔より光がまぶしく感じるのは、ちゃんとした理由があります。
歳をとると見えにくい色、見やすい色についてもご紹介します。
目次
こんな経験、ありませんか?
街に出かけたときに、案内表示が読みづらいと感じたことはありませんか。
背景と文字のコントラストが似たような色彩の場合、若いときはぱっと見ただけで内容が理解できたのに、高齢になるにしたがい読みづらくなる傾向があります。
それは目の加齢に伴う症状です。
日常生活では黒と紺のソックスの色の見分けや、似たような色の薬の区別もつきにくくなるといったことが挙げられます。
他にも夜間の運転時、対向車のヘッドライトがまぶしく感じたことはありませんか。
そんな方は家の中でもパソコンや携帯電話が明るすぎると感じる症状も同様にでています。
また、料理をしていてガスコンロの青色の炎が見えにくく、火加減の調節が難しいと感じだしたら要注意です。
強火であるにも関わらず、青色の炎が見えずらく作業中に衣類に誤って火がついてしまう事故が報告されているからです。
これらの原因は、目の老化にあります。目の水晶体が白く濁ることにより、かすんだり視力が落ちる白内障、視神経に障害が起こり視野欠損などの症状が起きる緑内障、そして加齢により水晶体の色が変化する黄変。
今回は黄変による症状の理由と対処方法を次にご紹介してきます。
まるでサングラスをしているように見えている
様々な見え方の症状の原因は、目の水晶体の老化にあります。
水晶体は、いわば目のレンズの役割でものを見るときにとても重要です。
その水晶体の老化は個人差はありますが、40代からはじまります。
若い時には透明で、色の識別も容易に行えますが、年齢を重ねるにつれ、透明から黄色に変化していきます。これを目の「黄変」といいます。
80代になる頃には、水晶体は茶色に変化する人も。
鮮明に見えていた色彩も高齢になるころには、茶色のサングラスを常にしているような見え方になるのです。
着色された水晶体は、短波長の光である青色の透過率を減少させます。
その結果見えにくい色と見やすい色に分かれてくるのです。
水晶体の老化は、まぶしさも増長させます。
水晶体が黄色になることにより、光の中の黄色をより強く感じるようになるからです。
あまりにもまぶしさが日常生活に影響を及ぼすようなら、「防眩(ぼうげん)レンズ」を使用するのもおすすめ。
まぶしさを感じやすい黄色の波長をカットすることにより、コントラストの向上やまぶしさの軽減が期待できます。
見えにくい色、見やすい色は?車の運転にも注意
高齢になると見えにくくなる色は、主に青色などの寒色系やグレーや紺、シルバーです。
これは水晶体の老化により青色の透過率を減少させていることによる影響です。
他にも明暗やコントラストの差がない色の組み合わせも、同じような色に見え認識がしにくい傾向にあります。
例えば、グレーと黒、水色とライトグレー、水色とベージュなどです。
一方高齢者が見やすい色は、赤やオレンジなどのビビッドで鮮やかな暖色系。濃い色味なので、認識しやすい色です。
また緑色は高齢者の目でも、若い頃と色の変化が少ないため認識しやすいといわれています。
ここで注意しないといけないのが、高齢で車の運転をする方です。
赤信号、黄信号、青信号の基本的な交通マナーは小さな頃から染みついていると思いますが、自分がまさか色の見間違いをするとは想定していませんよね。
しかし60歳以上の多くで自動車を運転しているときに色が見えづらい、色を見間違いそうになった経験があるのです。
信号の他にも道路標識も見にくくなるので、年齢を重ねるとともに運転には慎重にならないといけませんね。
色の見え方についてはなかなか自分で実感しにくいので、事故やなにかのきっかけがないとなかなか気づくことができません。
もしかしたら、と日々の生活で色の違和感に気を付けながら事故を起こさないように予防していくことをおすすめします。